大阪芸術大学アートサイエンス学科。
アートとサイエンスとテクノロジーを柔軟に連携させて、
これまでになかった研究と教育を行う新校舎に、
妹島和世が込めた思いは「公園のような建物」。
妹島和世。
金沢21世紀美術館やルーブル美術館ランス別館などを手がけ、
建築界のノーベル賞とも称されるプリツカー賞を受賞した建築家。
彼女は新校舎の設計・建築にあたり大切にしたことを3つ挙げている。
一つは、建物が立つ「丘」に合せた外観であること。
それは周辺の環境と美しく調和する、有機的なフォルムを導き出した。
さらに、建物が「開かれている」こと。
様々な方向からの出入りでき、様々な方向への視界が確保できるような、
内と外との自然なつながりを実現した。
そして、そこが人々の「交流の場」となること。
まさに、誰もが立ち寄れる、見晴らしのいい丘の上の「公園」である。
その構想から完成までの、3年6か月という時間を追ったドキュメンタリー。
一人の建築家の一つの建築に向き合う姿を鮮明に描き出している。
監督・撮影は、ル・コルビジェ、丹下健三など
数々の建築物を撮影してきた写真家 ホンマタカシ。
90年代に妹島と出会い、それ以来妹島建築を撮影してきた。
その彼の映像の力が、妹島の作品を通して「もう一つの作品」を作りあげた。
建築家
1956年茨城県生まれ。
1981年日本女子大学大学院家政学研究科を修了。
1987年妹島和世建築設計事務所設立。
1995年西沢立衛とともにSANAAを設立。
2010年第12回ベネチアビエンナーレ国際建築展の
総合ディレクターを務める。
日本建築学会賞※、ベネチアビエンナーレ国際建築展金獅子賞※、
プリツカー賞※、芸術文化勲章オフィシエ、紫綬褒章などを受賞。
現在、ミラノ工科大学教授、横浜国立大学大学院建築都市スクール(Y-GSA)教授、
日本女子大学客員教授、大阪芸術大学客員教授。※はSANAAとして。
写真家
1962年東京生まれ。
1999年、写真集「東京郊外 TOKYO SUBURBIA」(光琳社出版)で
第24回木村伊兵衛写真賞受賞。2011年から2012年にかけて、
個展「ニュー・ドキュメンタリー」を日本国内三ヵ所の美術館で開催。
著書に「たのしい写真 よい子のための写真教室」、近年の作品集に
『THE NARCISSISTIC CITY』(MACK)、「TRAILS」(MACK)がある。
また2019年に「Symphony その森の子供 mushrooms from the forest」
(Case Publishing)、「Looking Through Le Corbusier Windows」
(Walther König, CCA, 窓研究所)を刊行。
現在、東京造形大学大学院 客員教授。
音楽家
1992年北海道生まれ。
東京藝術大学音楽学部附属音楽高等学校打楽器専攻を経て、
同大学を卒業。卒業時にアカンサス音楽賞、同声会賞を受賞。
リーダーとしてAnswer to Remember, SMTK, Songbook Trioを率いる傍ら、
くるり、 CRCK/LCKS、Kid Fresino、君島大空、
Millennium Paradeなどのライブ、作品に参加
自身のライフワークであるアルバムSongbookシリーズの
「Songbook5」が2020年10月にリリース予定
前売鑑賞券¥1,200円(税込)絶賛発売中!
(当日一般¥1,600円のところ)
建築家・妹島和世が手がけ、2018年11月に大阪芸術大学キャンパス内に生まれた校舎。最先端のサイエンスやテクノロジーを生かし、新時代のクリエイターを育てるアートサイエンス学科が主に利用する。
校舎はキャンパスの入口にある。学生たちはキャンパスへと続く坂道、通称「芸坂」を上り、最初にこの校舎を目にする。丘の上に立ち、周囲を木々に囲まれていることから、妹島は「丘と一体化していること」を重視した。環境と調和し、主張しすぎない。風に揺れる葉のように、柔らかな曲線が特徴的だ。
ほかにも妹島は「開かれていること」「交流の場になること」を大切にした。内外の自然なつながりを重視したこの校舎は、色々な角度から出入りできる。また開かれたスペースが多く、他学科の学生も気軽に立ち寄ったり、アイディアの実験や披露に使ったりすることができる。公園のように、さまざまな人が集まり、自然を感じながら自由にくつろげる空間を理想とした。
アートサイエンス学科の拠点でありながら、大阪芸術学科の15の学科の交差点にもなる。また新たな出会いを促進し、多様な知見とビジョンが共有される未来の学修空間でもある。妹島は何度も現地に足を運び、建物を「建てる」というより「降ろす」「ランディングさせる」想いで設計した。表現力、発想力、構想力、コミュニケーション力……これらを備える新しいクリエイターへの願いが込められている。
新校舎は丘の上という立地をいかし、土地と一体化した開放的な空間とした。内と外はゆるやかに繋がり、あらゆる方向から出入りできる。内にいながら、さまざまな方向で外の緑を眺めることができる。この新校舎は、芸術でありながら、自然とも調和したランドスケープになった。
半屋外のひらけた空間とした。
展示や実験、ミーティングと様々なかたちで使えるオープンテラス。
4つのエリアからなる。
Artscience Salon:ワークショップや作品制作のためのミーティング、講演会、作品展示、イベントなどフレキシブルな用途に対応。学生たちと指導教授が集うエリア。
Lecture Room:アートサイエンスの知識・技術レベルを向上させるための講義、デジタル演習を行う先端的な仕組みが施された教室。
Laboratory:教員と作品制作のためのミーティングを行う。先端技術の指導やコンセプト評価なども。
Artscience Office:アートサイエンス学科の合同研究室。学生たちの学習・制作活動をはじめ、快適な大学生活をサポートする。
2つのエリアからなる。
Artscience Studio:作品制作のエリア。映像、サウンド、デジタルファブリケーションなど、多種多様な電子機器が設置されている。
Artscience Gallery:学生や教員、海外姉妹校からの作品展示に使われる。展示会や国内・国際的なイベントも可能な、大規模かつ先端的なデジタル空間。
大阪芸術大学に2017年4月に誕生した新学科。従来の芸術教育の枠を越えて、サイエンスやテクノロジーを柔軟に扱いながら、新たなクリエイターを育てる。
「アートサイエンス」という学科名が文部科学省から認可されたのは、大阪芸術大学が初めてだ。近年のテクノロジーの発展に伴い、表現手法は多様化している。またこれらの表現は、美術、舞台、エンターテインメント、公共空間に至るまで、様々な場面で展開するようになった。この時代の要請を、大阪芸術大学は「アートサイエンス」という領域で捉えた。
教授や講師陣には、世界各国から、各分野の第一線で活躍するクリエイターやプロデューサーを招いている。また変化の速い現代社会に対応すべく、展覧会やイベント制作など現場での「実践」を重視する。2018年11月に竣工した新校舎は、その「実践」の最前線の現場として、新たな学びの環境を提示している。
https://www.osaka-geidai.ac.jp/geidai/departments/artscience/index.html
関東 |
劇場名 |
公開日 |
電話番号 |
---|
Copyright 2020 Osaka University of Arts. All Rights Reserved.